Space Watcher, 2018

    銀塩モノクロ写真、ダンボール 各 28 x 28 x 28cm

     

    部屋の角の形に合わせて三角錐型のピンホールカメラを制作し、三つの面の内側に印画紙を装填する。ピンホールカメラは部屋の角に設置され、その空間で起こるイベント(例えば展示時間の開始から終了まで、講演会の開始から終了まで、等)を長時間露光する。 このようにしてカメラが建築空間の一部となりながら、人々の動き、空間内で起こった出来事が印画紙に焼き付けられる。印画紙は現像された後、元の三角錐のカメラの中に戻され、記録が完成する。部屋の角に収まる三角錐型のカメラの形により、ピンホールの穴から入る光の角度が調整され、どのような広さ・形の空間も写真の中で自然に立方体の形にデフォルメされる。長時間露光であるため、人間など動いているものの姿はぼんやりと影のように写真の中に立ち現れ、作品や家具などの静物だけがはっきりとその姿を表す。今後もスーパーマーケット、美術館等、人々が利用する公共の場での展開を試みている。