Time Medium, 2017

    アナログ写真、 アクリルペインティング

     

    ‘TIme Medium’ は、絵画と写真の組み作品である。ピンホールカメラを用い、絵が描かれていく過程を始めから終わりまで印画紙に長時間露光している。絵を描くにあたり使用しているのは黒い色の絵の具一色のみであるため、絵は最終的に黒一色の抽象画となる。しかし写真の中では、露光時間の差が明暗に影響するため、描かれた順番によって色の違いが現れる。先に描かれた層は露光される時間が長くなるため濃い色合いで写真に現れ、後に描かれた層は露光される時間が短く、明るい色合いとなる。こうして完成した絵の中では見て取れない形が、その過程を記録した写真の中で初めて立ち現れる。この作品では「現実に存在するものを記録する」という写真の特性を逆転させている。