Time Texture, 2015

    ミクストメディア

     

    “Time Texture” は、長い時間を経て様々な人の行為の積み重ねによって無意識に作り上げられた形に着目したインスタレーション作品である。展示場所に元からあった窓のブラインドは、中途半端に左端が上がり、ところどころが折り曲がっていた。空間ができた当時からそこにあったブラインドはいわば空間の歴史を内包したオブジェクトである。そのブラインドの一つ一つの湾曲した細部の角度から上がり方まで全てをそっくりに真似たオブジェクトを作成し、ブラインドの横の壁に設置した。経年によって自然に出来上がった造形と、短時間で表層のみ模倣して作られたレプリカ。両者の価値的差異はどのように捉えられ得るだろうか。